TOPICS

水産経済新聞(3月13日)に
弊社代表がパネリストとして参加させていただいた
水経セミナーの模様が紹介されました!

2015年3月13日

水産経済新聞

(以下本文)

私は大田ゲートウェイの経営と同時に、大田工業連合会という工業団体の事務局長もさせて貰っている。大田区にはものづくりの資産がたくさんあり、大田工業連合会には町工場が約870社加盟している。こうした仲間と、水産関係者に喜んで貰える製品、道具をつくり、両産業をWIN-WINの関係にしたい。
工業は独立独歩の気風が強く、“腕”があれば良いとされる時代があった。この点は水産業にも似た部分があると思う。
ただし、産業の空洞化で仕事の絶対量が減り、個人、個社でやっていくことが難しくなり、ようやく連携して市場を開拓しようとする動きが出てきた。
また、工業は規格化で発展した面がある。ボルトとナット、別の店で買っても規格が一緒なら当たり前に組み合う。これが効率化を生み出した。
漁業や加工業の現場で勉強させてもらう中で、「工業がお役に立てることは非常に多い」と感じる。道具を入れて効率化を図れる可能性があるためだ。
自然相手で難しい産業だとは理解しているが、こちらの港で(道具を入れて)成立した漁法が隣の港ではできない。近しい場所で、違うことをしている点はもったいないと感じる。
工業製品がマッチする漁法を工夫することも産業の発展に必要ではないか。歩み寄って、互いにメリットが生める土壌をつくりたい。

工業の視点でみると、水産業に伸びしろはすごくあると感じる。これまで手でやっていたことを、道具を使うことで、生産性が何倍にも上がる場面を何度もみてきた。わずかな変化で効率は上がり、効率化は利益につながることが非常に多い。

「魚が減っているのに、効率的に獲ったら、もっと減ってしまう」という話がよく出てくる。例えば、弊社が大分のタチウオ曳縄漁用に開発した投縄機は、少し大きな疑似餌を使っている。(資源保護のため)出荷できない小型のタチウオは、そもそも食い付けない。
漁具を工夫して選択的に釣り上げれば、獲得尾数こそ減るが、大きい魚は単価が高い。獲り過ぎることなく効率化を図り、次世代に資源を残す。そして利益率も上がれば儲かり、後継者もできるはずだ。

工業が積み上げてきたものと、水産業が積み上げてきたものの融合で、新たなモデルが生まれるはず。どこまで歩み寄れるかという問題はあるが、建設的に前向きに知恵を出すことで、われわれも漁業に期待されたい。面白い産業にしたい。
『水産経済新聞(2015年3月13日号)』より。

PAGE TOP