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水産経済新聞(1月1日)に
大田ゲートウェイ開発製品が紹介されました!
2015年1月1日
(以下本文)
■安価で高性能 世界の大田もの作り『水産経済新聞(2015年1月1日号)』より。
高度な技術力をもつものづくり企業があつまる東京・大田区で、揺れる船上でも正確に重さを量る秤(はかり)や、単身で操業できる投縄装置が開発、製品化されている。
開発に携わった大田ゲートウェイの淺野和人社長にとって、水産業界は未知の業界だったが、工業の発想と技術、経験で「やれることはたくさんある」と感じたそうだ。
船上での計量・箱詰め製品は、高鮮度を保ち、浜値を上げる有効策だが手間もかかる。加えて揺れが重さを変化させる船上で、陸上同様の秤(バネ式指示秤)は使えない。
解決に淺野社長は、定貫5キロの箱立てを例に、従来の「5キロの製品を図る」のではなく、「5キロのおもりと同じ重さにする」と発想を変える。
現場である大分・臼杵市の引縄船には、100円ショップで購入した小さな秤を2つ抱えて乗船した。同じバネ強度をもつ2つは、大きく船が揺れても、示す針位置が同調する。前述の仮説の有効性を、水産関係者に示した。
こうして、「量りたいもの」と「量りたい重さと同じ質量のおもり」を同時に量り、その差で増減を認識する「船上さかな体重計」が誕生した。
事の由来は、水産総合研究センターなどで設立した「沿岸域における漁船漁業ビジネスモデル研究会」だ。「新技術の活用で効率化を推進」の命題に、ある研究員が高校・大学の同級生である淺野社長へ、「できることはないか」と相談した。
■できること、沢山
「大田区はただの町工場の集積地帯ではない」と淺野社長は話す。各社特徴をもち、技を高め続けている集団という。 漁業にも共通するプロの気概だが、こちらは自然を相手にしつつ、他者から一歩でも先んじるため、船型や出荷形態など細分化されすぎた。
だが、必ずしも経営を好転させたとは言いがたく、人海戦術に頼る部分が大きい。コスト削減や販路開拓など、「規格化を進めた工業と真逆」と淺野社長。どこまで汎用性を持たせるかが難しいそうだ。
漁業機器の開発には、小規模漁業経営体でも手に入れやすい価格帯であり、電池など使用せず、シンプルで、故障時には漁業者が修理できることを意識した。「お金をかけたら何でもできる。安価で高性能な機器を作る技術と発想が、われわれにはある」。
■こいつがあるからできる(小松喜久夫さん/タチウオ引縄漁業者 談)
こいつ(船上さかな体重計)は載せたらすぐ重さが分かる。要はおもりの針より、下(重い)にあればいいんだ。竿(さお)秤なら狭い船内に中腰で、片腕で秤も魚も持つ。それが甲板に置いたまま量れるんだから、かあちゃん(奥さん)が「仕事早いし楽だ」って。
一発で重さが決まんないと、竿秤から降ろして詰め直す。経験が浅い子なら何度もかかる手間だよ。けど、目方がたりなきゃ(秤に)載せたまま足すだけ。鮮度が落ちやすい夏は、急ぎたいから助かる。
ここいらは、夫婦2人操業が基本だけど、高齢化もあるし、子世代はかあちゃんが乗ってくれるとは限らん。いつか一人でやらんといかんだろう。たまに一人で漁に出るのは、こいつがあるからできること。
目切れ?1年使ってるけど1回のクレームもないね。