COLUMN

コンサルタントの独り言1

2018年07月

僕は会社の事業の一つとして、コンサルをしていますが、
その視点で町工場の経営をみていると、実に無手勝流が多いなと感じます。
自社の経験や仲間の経営者の話に基づく、“独特で我流”の経営が根強く残っているように感じるのです。
下請け、系列取引が主であった時代は、それでも問題無かったのでしょう。
毎年同じくらいの仕事があり、どんぶり勘定でも現預金の残高はさほど変わらず、
いいモノをしっかり作っていれば安定した経営ができた時代だったのだと思います。
ただ、今は違いますよね?



1社依存は危険だから顧客は分散せよとか、新分野を開拓すべきだとか、開発だとか資金繰りだとか…。
いろいろ言われることは多いと思いますが、いきなり言われてもなかなかできません。
我流では上手くいかないことも多いのではないでしょうか?



先日、実に久しぶりに営業の本を購入して読んでみました。
僕の社会人のスタートは営業だったのですが、意外にも、外資系の有名コンサルティング会社が出している本に書いてあったことは、
以前僕が普通にやっていたことと何ら変わらない内容でした。
これは、時代が変わっても原理原則や基本は変わらないということではないかと思います。



だとすれば、一度しっかりとした知識を身につけてはどうかと思います。
間違ったやり方の上に努力を重ねても効率は悪く、スポーツで言えば、変な癖がつくだけで一向に上達せず、努力が報われない状態です。
僕のゴルフとおんなじですね。(まぁ、癖がつくほどの努力もしていませんが…苦笑)



最近はいろんな「言葉」も流行っていて、生産性革命だなんだと言われますが、
まず僕らがやるべきことは効率よく生産する方法を確立することです。
言葉が変わっても、やるべきことの原理原則や基本は変わらないのです。



昔から「言葉」は出始めの頃にバブルを起こします。
僕が社会人になった頃は「マーケティング」という言葉が流行っていました。
当時、僕が所属した部署の名前はマーケティング部で、とりあえず「マーケティングやってます」と言うと、ウケが良かったように思います。
言葉の示す範囲が広過ぎて、使っている人それぞれに解釈が異なるのだけど、
異議も出ないので、何となく話は纏まる、みたいな感じです。
当時、「マーケティング」という言葉の正確な定義は誰も分かっていなかったと思います。
今では、「売るための仕組みづくり」に落ち着いていますが、
であれば何の変哲もない当たり前のことに大袈裟な名前をつけただけ、ということになりませんかね?



やっていることの根本はさほど変わらないのに、何かしら言葉を変えて誇大広告するクセと、
それに惑わされ易いクセが日本人にはあるのかも知れません。



さて、脱線しましたが、効率よく生産するには受けた仕事だけをこなしている状態では、絶対に生産性は向上しません。
生産量が顧客の都合になるので安定せず、計画も立てられないので、波があるのが当たり前の状態となります。
これは仕方ないことでしょうか?
僕はそうは思いません。



営業活動で前倒しして受注・生産ができれば、もしくは製品をお持ちならば、見込み生産ができれば、波はある程度軽減できる筈です。
残業や休日出勤で対応すれば高コストになります。逆にピークに合わせて人を雇っていては黒字化すること自体難しくなるでしょう。
例えば、早めに発注してくれたら少し安くするとか、機械の空きのある時期は安くし、繁忙期は高くするといった価格を設定し、
それを顧客に示して受注時期を調整するといった方法が考えられます。長期契約やボリュームディスカウントも一つの手だと思います。



同じ仕事なのに値段が違っていいのかと考える人がいるかも知れませんね。
でも、旅行を思い出してください。
ハイシーズンが高く、閑散期が安いのは常識です。
新幹線だってシーズンによって値段は違います。ご存知でしたか?



他の業界では常識のことも、なぜか町工場では“独特で我流”の常識に縛られて、自ら自由度を無くしているように感じます。



忙しい時は値段だって上がるのです。
実際に残業をしていたり、他社も忙しいので急がせるためにコストが上がったりしていませんか?
それを転嫁しない、または出来ないのであれば、お人好しを通り越して、経営の怠慢でしかありません。経営の技術が足りないのです。
もちろん全てが上手くいくワケではありませんが、こういった努力はしなければなりません。



日々の営業は行き易いトコばかりに行っていませんか?
どうしたら本当に行きたいトコのアポが取れるのか?そもそもドコを攻めるべきなのか?
知恵を絞らなければいけません。



値付けは体系化できていますか?
見積もりを取るたびに値段が違っていては顧客も戸惑います。前述のように戦略的に変えるのはアリですが、
そうでは無く、意味も無くバラつくのは問題です。
大口の顧客にボリュームディスカウントを設定するのはアリですが、大して売上に貢献していない顧客に、
昔からの安い価格を意味もなく継続適用していませんか?



先日ミスミがmeviyというサービスを始めました。
3Dデータがあれば、平均2時間で見積もりが出て、最短翌日出荷というサービスです。
これは値付けが体系化されていなければできないサービスです。
これくらいのサイズであれば材料費は◯円、穴一つにつき◯円、いくつ以上なら○%offなどと事細かに決まっている筈で、
見積もりをとるたびにバラバラの価格にはならない筈です。
競合となり得るサービスにも目を光らせ、そして、学ばなければいけません。



モノづくりが勘と経験に頼る時代は終わりつつあるように思います。
しっかりとした経営技術で臨まないと危ういと思うのです。



長くなってしまったので続きは次回。
次回はキャッシュフローについて書こうと思います。(気が変わったらすみません)



待ちきれない方はコンサルしますんで、是非ご発注を!(笑)

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