COLUMN

ごみを拾うおじさんの話

2018年05月

僕はご存知の通り、漁業分野の仕事をしています。
仕事をしていると、やはり、その分野の情報には敏感になります。


最近、特に気になっているのが、海のプラスチックごみの問題です。
新聞でも何回か取り上げられていますので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?


人間が作ったプラスチックのごみが風で飛ばされ、川に流され、あるいは海に直接投棄されて流れ込み、世界中の海に漂っているという問題です。


プラスチックは割れたり、破れたりはしますが、なかなか分解されないので海流に乗って漂い続け、そのうち微粒子になって魚などの海の生き物に取り込まれ、蓄積されていきます。
いわゆる生物濃縮です。


魚の中でも食物連鎖の上位にいる魚や、それを食べる鳥などに、より多く蓄積され、いずれ、それを食べる人間に跳ね返ってきます。
人間は自業自得かもしれませんが、海の生き物にとってはいい迷惑です。


ご興味のある方は、いや、興味がなくても、ぜひネットで「マイクロプラスチック」で検索してみてください。


全世界では、実に毎年800万トンものプラごみが海に流れ込んでいるそうで、2050年には海中のプラごみの重量が、海にいる魚の総重量を超えるとの試算もあるくらいです。
皆さんはその光景が想像できますか?
僕はそんな海は絶対に嫌です。


そんなことを思いながら、最近やっていることが通勤の道中でのごみ拾いです。


ルールを決めていて、
1) プラごみだけ拾う
2) 遠くのごみはわざわざ拾わない
3) 雨の日は拾わない
4) タバコの吸殻は拾わない
5) 人ごみの中では拾わない
といった感じです。


まずもって継続が大事なので、張り切り過ぎないようにしています。
僕の心は折れやすいのです…。


実際のところ、残念ながらですが、僕の通勤の道中には、
真面目に拾っていたら会社にたどり着けないだろうと思うくらいゴミが溢れています。
完璧にすることが難しいので、継続できるためのルールを決めているのです。


その結果、拾うごみは往復でせいぜい5個くらいです。
たったそれだけ?と思うかもしれませんよね。


昔、こんなCMがありました。
海岸に打ち上げられた無数のヒトデ。それを拾っては海に返す男性。打ち上げられる数に対して、返せる数はごくわずか。
「そんなことをして何になるの?」と問う人に対して、その男性はこう言います。
「でもこの子は変わったよ」と。


そう、微力ではあっても無力ではないのです。(←どなたかのセリフです。)


ちなみに、毎日5個を平均とすれば、雨の日を除けば、
年間180往復くらいはすると思いますので、1年続ければ900個くらい拾えることになります。


確かにもっと拾うこともできます。
が、それが苦痛にならない程度に今は留めています。
そう、僕の心は折れやすいのです。


遠くのゴミを拾うのは面倒だし、雨の日は手が濡れます。タバコは手が臭くなるので拾いません。
紙ゴミまでは拾いきれないので、拾うゴミの種類に優先順位をつけています。
人ごみの中で拾わないのは、人とぶつかり危ないからです。


そんなユルイごみ拾いでも、年間900個は拾えるのです。
日本中の人が同じことをすれば、1億人として、900億個にもなります。
これはもう「微力」とは言わないでしょう。


いつか、ごみを“1個も拾うことができずに”会社に着いてしまう日が来ることを心から願うばかりです。


それと、ごみを拾っていると、気づいたり、感じたりすることが色々とあります。


スーパーなどで貰う買い物袋は、まちなかにたくさん落ちています。
減らすべきモノで、そのためには有料にしてもよいかと思います。ごみの発生の元を抑えるのは有効な対策です。
また、ごみを回収に出す時には、ごみ袋はちゃんと縛って出しましょう。
多くのごみは意図しないところから発生しているように思います。
なので、風の強い日は特に要注意です。
そして、カラスにつつかれないようにネットなどをしっかりかけましょう。


また、前述の通り、僕はタバコの吸殻は拾いませんが、まちのごみの中で圧倒的に多いのはタバコです。
これは明らかに、意図的に捨てられたごみであり、いい加減にせいやっ!(怒)と、心の底から思います。
そもそもですが、タバコは捨てるヤツがいなければ、拾う必要は無いのです。


それともう一つ。
まちなかのごみ箱は圧倒的に少ないと思います。


最近はゴミ箱を店内に据え付けるコンビニも見受けられますが、
ごみを出す商業施設は、その責任として、ごみを受け取るべきと思います。
他店のものであったとしてもお互い様ですから、ごみの回収に努めるべきです。
そもそも消費からごみが生まれるのですから、発生源には相応の責任があると思います。


僕は通勤の道中でごみを拾うワケですから、
捨てる場所がなければ、ずっと手に持ち続けることになり、これは結構な苦痛です。
そう、また心が折れそうになるのです。


なので、是非まちなかにごみ箱を増やしてください!
って、僕は誰にお願いしてるんでしょうか???


僕らは人間ですから、未来が少しは分かります。
であれば、未来がおかしなことにならないように努力をすべきでしょう。


先に「海の生き物」にはいい迷惑と書きましたが、「未来の子孫達」にもいい迷惑です。
個人が出来ることは小さいことかも知れませんが、みんなで取り組めば大きな力になります。
大人は未来に対して、もっと関心を持ち、もっと勉強して、もっと責任を持つべきではないでしょうか?

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