COLUMN

アメリカ大統領選に思うこと

2016年11月

11月9日、僕は仲間の車で、BCP協定を結んでいる他地域の工業会さんとの交流行事への参加のため、目的地に向かっていました。
その車中で流れていたのは、アメリカの大統領選の状況を伝える報道番組でした。
番組は終始トランプ氏の優勢を伝え続け、結局そのままトランプ氏の当選が確定しました。
実際には、車は先に目的地に着いたので、結果を知ったのはスマホのニュースでしたが、
企業視察のために乗り換えたバスの中では、誰かしらがニュースをチェックしているような状況でした。
他国の大統領選にこれほどの関心が注がれたのは恐らく今回が初めてではないでしょうか?

結果については、僕も正直なところ一瞬まさかとは思いましたが、
もともと拮抗した支持率の中での選挙でしたし、想定外な結果ではありませんでした。
一方、当選が決まる前から、「最悪」とか「最低」といった言葉が飛び交い、
トランプ氏の当選に要らぬ不安を掻き立てようとする報道のやり方には強い違和感を覚えました。

トランプ氏はその言動や姿勢から、色々とバッシングの多い方ではありますが、
一方で思ったのが、アメリカの大統領ってそもそもそんなに素晴らしい方ばかりでしたっけ?といったことでした。

日本から見れば、原爆を2度も落とした大統領もいましたし、経済が行き詰まりを感じたらニクソンショックやらプラザ合意やらで、
ルールを変えてまで自国の利益を追求した大統領もいました。親子で紛争を撒き散らした大統領もいれば、
日本が議長国として取り纏めた京都議定書を、科学的根拠が実証されていないなどとして離脱した大統領もいました。
(重複して名前が挙がる大統領も若干名いらっしゃいますね・・・)
今度はTPPに後から入ってきたと思ったら、散々掻き回した挙句に脱退宣言です。
あっ、これは“次期”大統領の公約でしたね。

トランプ氏は決して“特殊な”アメリカ人ではありません。
正当な選挙制度に基づいて現在のアメリカ人が支持をした今のアメリカを代表する人です。

スタンスが分かりやすい分、日本にとっても多くの気づきを与えてくれる大統領になるのではないでしょうか?
そろそろ、我々も自分達の国の未来を、自分達でどうするのかを真剣に考えるべき時期だと思います。
かなり遅すぎる感は否めませんが、気付かないよりはマシです。

これまでは「正義」とか「自由」とか「平等」といった言葉でお化粧しながら無茶なことを無理矢理やってきた国ですが、
大統領がトランプ氏に変わったとしても、お化粧をする努力をし無くなるだけで、
中身は実は今までのアメリカとあまり変わらないのではないかとも思うのです。

そもそも正義や勇気、自由、平等といった思想は、
相手の強弱や自身の都合によって出したり引っ込めたりするものではありません。
相手が強かったり、自分が苦しいときに発揮してこそ価値があり、讃えられるものではないでしょうか?
ラグビーの日本代表が南アフリカに勝利するような試合で、僕らは感動するのです。

今は世界が逆方向に進んでいるような気がしてなりません。

ただ、世界が内向的になり、そこらじゅうでコンフリクトが起きたとしても僕らはそこに付き合う必要はありません。

日本人が知恵を絞り、世界に範を示す時ではないでしょうか?
「正義」や「勇気」は苦しい時に発揮した方がかっこいいのです。

おわり

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