COLUMN

1年の計は元旦にあり!?

2013年01月

みなさま、新年明けましておめでとうございます!今年も引き続きよろしくお願い致します。
1年の計は元旦にあり!ということで、今回はこれに乗っかって書いてみます。(本日は12月17日なのですが…)

今年、僕は商社をつくります。これは決めたことなので実行します。
今回は商社設立に思いが至った背景について少し書いてみたいと思います。

僕が社会人の第一歩を踏み出したのは、今から約15年前の1998年4月です。
サービス業のベンチャー企業(現在は立派な大手企業になっています)にお世話になりました。
当時は随分とナメた社会人で、1年くらいでさっさと勉強して、自分で会社をおこそうなどと考えていました。
ところが、実際には7年間もその会社でお世話になることになりました。
理由は、良き先輩方との出会いに恵まれたことと、そのお陰でビジネスの深遠さを知ることができた為です。
その会社では新規事業の立ち上げや新会社の設立などに関わり、充実した仕事をさせて貰いました。
この時期に学んだ社会人の心得は今も健在です。
次にお世話になったのは、ベンチャー企業に投資をする会社、いわゆるベンチャーキャピタルです。
ファンドを運用する会社と言った方が分かり易いかも知れません。

転職のきっかけは家庭を持ち、子供が生まれたことです。
親になって思ったのは、子供達にどんな未来をバトンタッチ出来るのか?という事です。
子供達世代の未来を考えた時、やはり大事だと思ったのはモノづくりでした。
資源のない国では何らかの価値を生み出して外貨を稼ぎ、
必要な資源(食料、エネルギー、材料等)と交換する必要があります。
こんな事を言っては問題かも知れませんが、サービス産業で外貨をきちんと稼げている企業は
日本にどのくらいあるでしょうか?
大学は工学部でしたが、まったく役立てていなかった(国費の無駄遣い?)反省もあり、
モノづくり企業にのみ投資をするベンチャーキャピタルに転職しました。
モノづくり分野のベンチャー企業の経営を支援することにより、日本の製造業の未来を支えようと考えたのです。
当時は2000年前後に始まった、短期収益の最大化を志向した株主至上主義的な思想が蔓延しており、
大手電機メーカーなどが「経営の選択と集中」の名の下、
不採算部門の切り捨てや中央研究所の閉鎖などを平気で行っていた時代でした。
その結果が今の惨状に繋がっています。
未来の芽を摘んで、技術者を世に放出した訳ですから当然の結果です。
当時はベンチャーブーム盛んな頃でしたが、実際のところ、ベンチャー企業を支援する世のインフラは整っておらず、
ベンチャー企業は「かごから出たカナリア」のごとく、死屍累々の状態でした。
資金繰りも知らずに経営が成り立つわけがありません。
そんな状態でよく出てきたなと思う反面、この状態を何とかしないと日本の製造業の未来は危機的だとも感じました。
転職して良かった点は2つです。一つは出来たての企業の経営の厳しさをリアルに知ることが出来た点、
もうひとつは、前の産業振興課長の石井さんと出会えたことです。
その後コンサルとして独立した僕は、石井さんのご縁もあって当会で事務局長の役割を担わせて頂くことになりました。(今も製造業のコンサルの仕事は引き続き行っています)

大田区に来て、勉強をさせて頂き、今現在感じていることは以下の通りです。
・大田区企業は優れた技術を持っている。
・モノづくりの集積は強力なメリットである。
・「大田」のブランド力は強い。

そして、大田の企業はPRが上手くないとよく言われていますが、
その根本は大きく以下の点に集約できると思っています。
・PR(営業)の経験、歴史が浅く、確かにPRが上手くない。
・各社の得意分野は単加工であることが多く、1社では製品を纏めることが難しく、対外的に強みをPRしづらい。
・複数企業の連携は解決策となるが、その取り纏め役が居ない、または少ない。

集積と各社の技術力のどちらが大切かと聞かれれば、僕の答えは「集積」です。
今の集積を無くせば競争力は確実に弱くなります。下町ボブスレーが短期間で完成したのは、
各社の技術力の高さもさることながら、集積の強みも非常に大きかったと思います。
「図面を飛行機にして蒲田の駅ビルから飛ばすと、数日で製品になって舞い戻ってくる」と言われた強みは今も健在です。

これを競争力に変えられるかどうかは、今経営をしている世代にかかっています。
過去は過去、今は今、未来は我々がどうするかにかかっています。

僕が目指す商社は、区外から仕事(開発案件中心)を持ってきて、
開発の進行に必要な資金と条件(開発品の知財の帰属や、販売の際の条件等)を取り纏め、
区内企業に製造を委託し、その進捗も管理した上で、製品を販売する商社です。
下世話な表現になりますが、大田の強みをお金に換える機能が、今、求められていると思っています。
餅は餅屋で、良い意味で製造業企業は製造に集中し、
それ以外の管理はそれを得意とする商社が行うといった分業ができれば良いのではないでしょうか?
要は、その商社が参加企業の側に立つ、参加企業の利益代表であれば良いのです。

まずは成功事例を作ってやろうと思っています。目指す分野は農漁業です。
近々製品の第一弾がプレスリリースされる予定です。
今は力が弱く、開発案件の数を追うことはできませんが、今後は様々な加工ニーズが出て来ると思います。
もしお声掛けをさせて頂くことがあれば、その際はよろしくお願い致します。
実績を積み上げ、信用を獲得し、仕事に繋げ、大田の集積の強みをより強力な力に変えて行きたいと思っています。

皆さんの持つ力は非常に強力だと思います。
今年は色々なチャレンジが生まれてくることを祈っています。
ボブスレーを追い越すくらいの気持ちで突っ走りましょう!(笑)

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