COLUMN

何を武器にするか?

2012年08月

さて、前回は記事スペースの関係でサボってしまった「独り言」ですが、引き続き書いていきたいと思います。
「早い、安い、うまい!」というと、どこかの牛丼屋さんのようですが、これを「早い、安い、上手い」にすると製造業にも当てはまります。
でも、これっておかしいと思いませんか?
早くするにも、上手くするにも、本来であれば手間隙がかかり、普通はコストが掛かりますよね。さらに言えば、価値を高めているのだから高くあるべきです。
しかし、現実はそうは行きません。なぜならば、そこに競争があるからです。
圧倒的に早く、圧倒的に上手い場合は高くなると思いますが、同程度のレベルの製品を供給できるメーカーが沢山あればそうは行きません。逆に値段は下がってしまうのです。
より高精度で、よりキレイで、より早く、、、そして最後に、より安く。
最後の「安く」が矛盾を生みます。
しかし、「矛盾」といって片付けることは出来ません。
経営とは、そもそも矛盾する概念をまとめ上げていく作業ではないでしょうか?
社長と従業員の利害は必ずしも一致しません。現場でも製造と営業、経理などはバチバチやり合っていませんか?自社と顧客となればさらに利害は一致しません。高く売りたい側と、安く買いたい側ですから当然です。

少し脱線しますが、自然界はもっとシビアです。喰うか、喰われるか、ですからね。
サバンナでライオンとシマウマが話し合って、これ以上シマウマを食べないことで合意するなんてことは有り得ません。
一方、そんなことをしなくてもシマウマは(今のところ)居なくなってはいませんし、強い立場のライオンが増え過ぎることもありません。
「適者生存」という言葉があります。強い者が生き残るのではなく、環境に適合した者が生き残るという考え方です。こうすれば必ず生き残れるという法則では無く、あくまで結果論なのですが。。。
でもこの結果論は大事です。なぜならば生存競争の歴史そのものなのですから。
生き残ったものには必ず理由があります。生き残れる理由が無いものは生き残れないのです。
ライオンはその強さ故に生き残り、シマウマはその繁殖力の強さで生き残っているのです。ツメの無いシマウマが筋トレしてツメを研いでも意味がありません。そもそもライオンと同じ戦い方をする必要が無いのです。

全員がトヨタ自動車になることは出来ません。また、なる必要もありません。しかし、環境に適合できなければ生き残ることは出来ません。
要は「何を武器にするか?」なのだと思います。
会社の経営とは、自社が戦える主戦場を探し、様々な矛盾を乗り越え、製品やサービスを提供し続けることであり、これは生きることとほぼ同義だと言っても良いのではないかと思います。人も稼がなければ生きていけませんからね。

コンサルの世界では、よく「脳みそが汗を掻くくらい考えろ」と言われます。脳みそに汗腺は無いだろうにと、冷静に考える必要はありません(笑)
寝ても覚めても考え続け、最後は気合と根性と必死の努力で乗り切るのです。
がんばれば様々な困難を乗り越えられるはずです!
がんばれば電気代を削減しながら生産量を上げていくことも不可能ではない筈です!
今回は少々強引な結びとなりました。(苦笑)

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