COLUMN

幸せってなんだろう?

2012年01月

新年あけましておめでとうございます。
様々なことが起きた昨年ですが、生きてさえいれば必ず新しい年はやってきますね。
夜が来れば次は朝が来るのです。今年も頑張っていきましょう!

さて、今回は今年一年を楽しく生きる為に、少し過去を振り返りつつ、書いてみたいと思います。
今から15年前、97年の新年を僕はベトナムで迎えました。いわゆるバックパッカー(リュック1つで各地を放浪する旅人のこと)をやっていました。東南アジアを中心に様々な国に行きましたが、不思議なもので、当時の東南アジアは時間の流れすらも国や風土によって違っていました。万人にとって時間は平等で等しく流れるモノと思っていた僕には衝撃でした。実際には時間は同じなので、感じ方が違うということなのでしょうね。
96年に行ったカンボジアでは男性は働いていませんでした。木陰で仲間と談笑しているか、意味も無くバイクを流しているかのどちらかで、生活は多分、お母さんが屋台で頑張って稼いで支えていたんじゃないかと学生時代の僕は思いました。(検証はしていません)
時間は確実にゆっくりと流れていて、本当にヒマそうなのです。でも印象的だったのは、とても楽しそうに皆さんが生きていたことです。少なくとも当時の僕にはそう見えました。
ブータンがGNH(国民総幸福量)をしきりに掲げていますが、GNHで測れば日本より当時のカンボジアの方が上だったのではないかとさえ思います。
当然ながら国や環境、気候が異なるので、単純な比較はできません。冬が寒い日本では真面目に働いて住む場所を確保しなければ確実に凍死します。
ただ、人間の基本として、楽しく生きることはとても大切なことだと思います。

もうひとつお話しをします。
これまた学生時代の話しですが、僕は山小屋でアルバイトをしました。北アルプスの白馬岳のスグ南にある唐松岳という山で、スキーをする方には八方尾根スキー場から上がったところ、と説明する方が分かり易いかも知れません。
山小屋は眼前に雄大な立山連邦が広がるとても美しい場所にあります。皆さんも機会があれば是非登ってみて下さい。
そこの頂上山荘で1カ月程住み込みで働きました。当然ながら下界にある生活インフラはありません。電気は小型の発電機が1台あり、大事に使っていました。冷蔵庫は電気を喰うので雪の中に食料を埋め、掘り出して使っていました。水は急な斜面を2人1組で重い発動機を担いで降り、それを雪渓の下端に設置してポンプアップしました。朝は3時半に起床し、朝が早い登山客の為にご飯を炊き、日中は山道の補修などのドカタ仕事です。
天気の悪い日が何日か続くと、食料を運ぶヘリが飛べない為、人力で食料を麓から担いで上げます。
そこでの仕事は正しく“生”に直結していました。
仕事は完全な肉体労働で、楽ではありませんでしたが、夜明け前の立山連峰は息を呑む美しさでした。夜は9時に消灯になるのですが、カップラーメン数個とお湯の入った魔法瓶を持って、バイト仲間10数名で裏山に上ります。裏山は昔ヘリポートであったらしく、少し平らになっていて、そこに寝転んで星空を眺めながら様々なことを語り合いました。
星っていっぱいありますよ。流れ星だって毎日流れています。時折、天の半分程を流れる大物もいて、感動と仲間との繋がりを感じ合う日々でした。

ところで、山小屋の生活は登山客の宿泊料で賄われています。その収入で山小屋を維持し、食料を仕入れて提供し、従業員を養っています。これって少し日本の環境と似ていませんか?
そこに生活を満たす資源はありませんが、山小屋には十分に継続性があって、仕事は大変ですけど、何よりも楽しく生きることができているのです。
今回挙げた例は、非日常的であり、遠い場所の話かも知れません。ただ、そこには日々の忙しさで我々が見えにくくなっているモノ、忘れている何かが確実にありました。
幸せというと大げさかも知れませんが、楽しく生きるってなんでしょうね?たまには少し頭と手を休め、ゆっくりと、真面目に向き合って考えてみたいものです。

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